痛風の治療の基本について
病気の治療の主役は患者自身です。医師が行う治療や投薬は、それを助けるためのものです。痛風や糖尿病のように、家庭で食事療法を行うときは、自己管理が重要です。
治療の目的は痛風発作抑止、尿酸値低下、合併症予防
痛風の治療は、次の3つの項目を大きな柱として進められます。
①痛風発作を抑える
②尿酸値を下げる
③合併症を予防する
①痛風発作を抑える
まず、発作によって生じた激痛を抑えなければなりません。そのための対処療法として、主に薬物治療が行われます。発作の前兆がみられたときに服用する薬と、発作が起こったときに服用する薬の2種類が使い分けられます。
②尿酸値を下げる
発作がおさまったら、痛風の原因である高くなった尿酸値を下げます。薬物療法を中心に、食事療法、運動療法などの生活改善を目的とした治療を3~6カ月にわたってつづけます。ここで使用される薬は、痛風のタイプや症状の進行度により異なります。
③合併症を予防する
腎障害、尿路結石、高血庄症、糖尿病、脂質異常症 (高脂血症) など、痛風になると併発しやすい病気を防ぐ治療を行います。薬物療法と食事療法が中心ですが、尿酸値のコントロールは、一生つづけていかなければなりません。痛風の治療には、長い時間がかかります。「痛風と一生つきあう」という気持ちと根気が必要になります。医師の指示を守って治療を継続していけば、健康な生活を送ることができます。
問診で聞かれること
初めて病院に行って診察を受けると、まず、問診が行われます。問診は、医師が患者に病気の自覚症状や、病歴、飲んでいる薬などについて質問して、治療を始める前に病気の状況を把握するために行われます。痛風の問診では、おもに次の項目が聞かれるので、受診する前にメモにとるなど整理しておくとよいでしょう。
①痛風の発作を起こした日時
②発作を起こす前の自覚症状
③発作が起きた部位
④発作の具体的な症状
⑤発作の回数
⑥これまで痛風の治療を受けたことがあるか。痛風の合併症があるか
⑦痛風のほかに治療を受けている病気があるか
⑧使っている薬
⑨家族の病歴
⑲生活環境や仕事の状況
医師の質問には、正直に答えましょう。問診で患者から得られた情報はすべてファイルされ、その後、治療を進めるときのたいせつなデータとなります。回答が不正確だったり、いいかげんだったりすると、治療を進めるときにあらためて聞き直されたり、治療の方針を変更しなければならなくなることがあります。