痛風の人のための食生活ガイド
医学と栄養学により、食事療法のポイントはわかりやすく整理されています。食事療法やダイエットを行うときには、それらのポイントにもとづいて自分の食生活をチェックしましょう。
合併症を防ぐ、食生活のあり方
食生活での注意点を以下になります。
①食事は、腹八分目。肥満の人は減量する
②プリン体の多い食品を大量に食べなし
③アルコールを飲みすぎない。週2日は休肝日
④水分を多くとって尿を増やし、尿酸を排泄する。糖分が入った飲料水は飲まない
⑤栄養のバランスのよい食事をし、3食をきちんと食べる
⑥野菜をたくさん食べる
⑦脂身の多い肉や、揚げ物などの油を多量に使う料理は避け、調理法は「焼く」「煮る」をメインにする
痛風を治し、合併症を防ぐには、これらの食生活のあり方を守るとともに、料理の仕方や、食品の選び方にも気をつける必要があります。
料理の昧つけは薄味にし、塩分をとりすぎに要注意
塩分のとりすぎは、
高血圧の原因になり、動脈硬化を促進します。厚生労働省は、成人が1日に摂取する塩分を10g以下、と指導していますが、尿酸値の高い人や、痛風患者は7g以下を目標としてください。そのためには、どの食品にどれくらいの塩分が含まれているのかを知らなければなりません。日本食は健康食として、欧米でも注目されていますが、煮物や漬け物、みそ汁などには塩分が多いので、献立の一品一品にどれくらいの塩分が含まれているかを常に計算して、1日の塩分の摂取量をコントロールすることがたいせつです。また、かまぼこやハム、チーズなどの加工食品も塩を多く使っているものが多いので、たくさん食べると、それだけで1日の塩分の摂取限度量分をとってしまうことがあるので油断できません。食事で塩分を控える、ということは、薄味の料理に慣れることです。煮物やみそ汁、お吸い物を作るときには、調味料や塩の量をきちんとはかり、みそやしょうゆ、つゆ類は減塩のものを使います。
調味料を控える
また、ソースやケチャップなどは甘みがあって塩を使っていないように思えますが、ソースはしょう油とほほ同等、ケチャップは約1丁に近い塩分を含んでいるので、豚カツやホットドッグなどにたっぷりかけて食べると、あっという間に4~5gの塩分を摂取することになります。薄味では食欲がわかない、という人は、塩分の量を1週間単位で1gずつ減らしていく等、こしょうなどの塩分を含まない香辛料を使うなどの工夫をすれば、薄味に慣れることができます。食生活は、決められたカロリーの摂取だけでなく、必要な栄養素の十分な補給が必要であり、また、長つづきするために、味を楽しむという要素も必要です。そして、よりたいせつなのが健康です。あせらずに、徐々に味覚を薄味に慣らしていってください。また、油を使う場合でも、揚げ物を控え、野菜などをいためるときには植物油を用います。脂身の多い肉類はやめて、赤身の肉にします。調理法は、「焼く」「煮る」を中心に考え、塩やしょうゆは控えめにして、薄味にします。
外食が多い人は、和風定食を選ぶ
外食はなるべくしないで、弁当を持参することが好ましいのですが、現代の都市生活ではそれも難しいことが多いと思います。一般的に外食のメニューは、味が濃く、塩分が多く、油をたくさん使って調理している傾向にあるので、外食をするときにはラーメンやカレーライス、チャーハン、カツ井などのどんぶり物はやめて、刺身定食や焼き魚定食、野菜煮物定食などの和風定食を選ぶよにしましょう。また、和風定食でも、おかずにもつ煮やもつ焼き、レバー料理、揚げ物などがついているものはやめて、とうふや鶏肉などがついているものを選びましょう。メニューを選ぶ前に、まずお店を選ぶことがたいせつです。日本そば屋やラーメン屋ではなく、和風定食がメニューにあるレストランや定食屋に入りましょう。また、メニューを見て野菜類が少ないときは、単品メニューがある店ならば、野菜の煮物や野菜サラダを追加するようにします。