痛風初期症状

無症候性高尿酸血症は痛風の予備軍

だれでも、いきなり痛風になるわけではありません。尿酸の排泄がとどこおり、尿酸が増える過程があります。そこで、早めに検査して治療を開始すれば、痛風を防ぐことができます。

増加する無症候性高尿酸血症

高尿酸血症になると、痛風関節炎や痛風結節などの発作が起こるようになります。しかし、人によっては尿酸値が異常に高く、尿酸が関節部にかなり蓄積された状態でも、痛風の発作や症状がまったく出ないことがあります。このように自覚症状がほとんどあらわれない高尿酸血症のことを「無症候性高尿酸血症」といい、近年、このタイプの患者が急増しています。無症候性高尿酸血症の恐ろしい点は、痛みなどの自覚症状がほとんどないために病気の発見が遅れることで、そのために治療の開始も遅れ、病気が進んでほかの臓器に合併症を起こすこともあります。

腎臓は我慢強い臓器

腎臓は、人間の臓器のなかでも、肝臓と並んで「我慢強い臓器」といわれます。左右二つあるので、過剰な尿酸が原因で機能が半減しても、自覚症状がなかなかあらわれません。腎臓障害の自覚症状があらわれたときには、病気はどんどん進行したあとで、腎不全や尿毒症などの重症の状態になっていることが多いです。

早期に高尿酸血症を発見する

健康診断
高尿酸血症がつづくと、腎障害が起こってくる可能性があります。無症候性高尿酸血症を予防し、腎臓の障害を起こさないためには、健康診断や人間ドックなどで尿酸値を定期的に検査し、高尿酸血症を早期に発見することがたいせつです。検査の結果、尿酸値が高い場合は、自覚症状がなくても医師の治療を受け、尿酸値を下げる努力をしましょう。特に30歳を過ぎた男性は、定期的に尿酸値をチェックするようにしてください。また、無症候性高尿酸血症の人がはげしい運動を行うと、筋肉からキサンチンという尿酸になる成分が多量に排泄されて急激に尿酸値が高くなり、高尿酸による症状を悪化させることがあるので注意が必要です。