ストレスが多くの生活習慣病の原因になっていることはよく知られています。痛風の発作も、ストレスがたまると起こりやすくなります。ストレスを感じると、自律神経の交感神経が強く働くようになるので、心身の緊張状態がつづき、エネルギーがよけいに消費されます。そのために代謝が活発になって、尿酸の産出が増えてしまいます。また、ストレスが蓄積されて体調が乱れると、尿酸の排泄がうまく行われなくなって体内にたまり、尿酸の量は上昇します。痛風患者が一番多いのは、30~50代の男性です。この世代は、仕事や家庭においても重い責任を負っているために、常に不安や心配、悩み事などをかかえ、多くのストレスにさらされて生活をしています。それが痛風発症の原因の一つとなっています。したがって、痛風の原因をとり除くには、ストレスのない生活を送ることも重要ですが、現代社会においては難しいことです。そこで、できる限り「ストレスを少なくする」ことを心がけ、痛風発作を起こすようなきっかけを極力減らすように努めることが重要です。痛風になりやすい人は、遺伝的素因のある人、生活習慣に問題のある人、肥満の人などです。なぜストレスによって痛風になる人が増えるのかは、まだ明らかにされていませんが、発症に関係している可能性があります。一般に、まじめできちょうめん、何事も深刻に受け止める人はストレスをためやすい、といわれています。
生まれもっている性格を変えることは、困難ですがが、頭のすみに「悩んでもしかたのないことは、悩まない。やるべきことをやったら、あとは運を天にまかせる」という楽天的思考をもつことも、アルコールを飲みすぎないなどの生活習慣の維持には重要です。また、自分に合ったストレス解消法を身につけることもたいせつです。軽いスポーツで汗を流す、旅行に出かける、音楽を聴く、花を育てる、ジョギングをするなど、さまざまな解消法が考えられますが、本人がつづけてできる趣味であれば何でもかまいません。とはいっても、日ごろ「ストレス解消法」として行われていることのなかには、好ましくないものもあります。たとえば、お酒の飲みすぎです。適量のアルコールは心身をリラックスさせるので、ストレス解消に有効ですが、ストレスの重圧からのがれるために深酒をしたり、やけ酒をしたりすると、かえって尿酸値を上昇させてしまいます。そのほか、徹夜マージャンのように翌日に疲労が残る遊びや、やけ食い、ドカ食いなども、肥満や健康を害する原因となるので避けてください。
しかし、こういう性格の人が必ず痛風になる、というものではありません。チェック項目に心当たりがある人も、日ごろから生活習慣をよくするように努力していれば、痛風になりにくい、というふうに受け止めてください。これらのチェック項目を読むと、まじめに誠意をもって仕事をし、努力しながら生きることが、すべて生活習慣病につながるような印象がありますが、何事も深刻になりすぎず、健康上手になることが重要です。