痛風発作を起こした人が、そのまま治療を行わず放置しておくと、数年から10年くらいで痛風結節があらわれてきます。痛風結節は、体内で過剰になった尿酸が、関節の周囲や軟骨、皮下の組織などに結晶になってたまり、コブ状になったものです。痛風結節ができやすい部位は、耳介(外耳の一部)、ひじ、手の甲、手の指の関節、ひざ、かかと、足の甲、足の親指のつけ根、アキレス腱などです。痛風結節のなかには、尿酸結晶が詰まっています。これは白い液状か、おから状のもので、痛風結節が大きくなり、皮膚が盛り上がって薄くなると透けて見えたり、破れて外に出てくることがあります。痛風結節は、大きくなっても関節炎のような痛みは起こりません。そのため、放置して、悪化させることが少なくはありません。健康な人の体内にある尿酸の量は、1200mg前後です。しかし、痛風結節ができると、この数倍から数十倍の尿酸が体内に蓄積されることになります。
痛風結節が進むと、患部の骨は尿酸塩によって浸食され、関節が変形したり脱臼したりして、日常生活に支障をきたすようになります。手術療法で痛風結節をとり除くことは難しいので、痛風結節の治療は、薬物などによる尿酸値のコントロールによって行われます。尿酸値が正常になれば、患部にたまった尿酸結晶がとけて腎臓から排出されるので、結節は小さくなっていきます。痛風発作を起こしたことがある人は、常に尿酸値のコントロールに気を配っていく必要があります。最近は、痛風という病気の特徴が、一般の人たちにもよく理解されるようになったので、痛風の発作が起こってから、治療をせずに放置しておく人は少なくなりました。そのため、痛風結節があらわれるまで症状を悪化させる人はあまりみられなくなりました。