検査の目的と診断基準
痛風の検査は、尿酸の状態を調べるための血液検査と尿検査から始まります。病気の原因やメカニズムを理解していると、検査や治療の内容がよくわかり、病気の回復も早くなります。
痛風の診断基準
痛風であるかどうかを診断して、治療するために行う検査は、次の3つです。
①痛風であると診断する検査
②尿酸値と高尿酸血症の原因を調べる検査
③痛風の合併症を調べる検査
痛風の診断のために行う検査には、一般的に「痛風診断基準」が用いられます。これは1977年にアメリカ・リウマチ協会(ARA)が提案したもので、痛風であることを判定する基準として、ABCの3つの基準が設けられています。
A・尿酸結晶が関節液中にある
B・痛風結節に尿酸結晶がある
C・次の11項目のうち、該当するものが6つ以上ある
①症状が出てから24時間以内にピークに達している
②発作が以前にも2回以上あった
③1カ所だけの関節に症状があらわれる
④関節が赤くなる
⑤足の親指のつけ根の関節に痛み、はれがある
⑥片側の足の親指のつけ根の関節に発
作があらわれる
⑦片側の足くびの関節に発作が起こる
⑧痛風結節と疑われるコブがある
⑨高尿酸血症である(尿酸値が高い)
⑩関節が非対称的にはれる
⑪発作が完全によくなる
この3つの検査法のうち、実際には、Aは発作を起こしているときに患部に注射針を刺して関節液を採取し、調べることが難しい。Bはだれにでも痛風結節ができるとは限らない。特に最初の発作のときにはできない場合が多い、ということから、一般的に診断の基準にはCが用いられています。また、Cは一般の人向けに、項目や内容をもっと簡潔にして個条書きにされる場合もあります。Cの11項目の中で特に注意したいのは、④の「関節が赤くなる」で、痛風とリウマチを区別するために欠かせない項目です。リウマチの場合、患部が痛風のように熱をもって赤くはれ上がることはありません。