痛風初期症状

痛風とは

主にひざから下の関節が激しく痛むのが痛風の症状の特徴

痛風は、ある日突然、通常、下肢、特に足の親指のつけ根に、それまで経験したことがないような激痛が起こる初期症状が特徴の病気です。「痛い風」という変わった病名は、発作が起きると「風が吹いて、患部に当たるだけでも激痛を感じる」という症状に由来しているといわれています。現在、日本には痛風患者が約50万~60万人おり、さらに「痛風予備群」といわれる高尿酸血症患者の数は300万~500万人いるといわれています。痛風は、いまから約70年前は、日本人にはあまりみられなかった病気です。戦後、日本の経済が復興し、飽食の時代といわれるほどに食生活が豊かになり、飲酒量が増えるにつれて増え続け、近い将来、日本は「痛風大国」になると警告する医師もいます。

痛風患者の約95%は30~50代の男性

痛風の大きな特徴は、20~30年前は男性の患者が圧倒的に多く、患者全体の実に99%が男性であったことです。男性は、女性にくらべて尿酸の総量が多く、思春期になると尿酸の量が急に増えますが、その後、加齢とともに低下していきます。しかし、なんらかの原因で尿酸値が上がりすぎると高尿酸血症になり、その状態が数年つづくと痛風の発作を起こすようになるといわれています。また女性も、閉経後は、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が減って、尿酸の量が増えることから、特に腎疾患のある人は高尿酸血症を起こしやすくなります。痛風は、年齢別にみると、働き盛りの30~50代の男性に最も多く発症し、痛風患者の約95%を占めています。思春期以前の世代にはみられません。このために「痛風は中年以降の男性の病気」といわれてきました。しかし、最近、若い世代に急速に痛風が増えています。その大きな原因として、若い世代の食生活の欧米化や、ストレスやアルコール摂取量の増加が考えられています。

痛風の初期症状

痛風の発作は、夜明け前や早朝に起こることが多く、痛みが始まって2~3時間ほどたつと患部の関節が赤くはれ上がり、熱をもってきます。痛みは24時間ほどでピークがきて、その後、少しずつやわらぎ、治療を受けなくても10日前後で自然に消えます。最初の発作では、4日から1週間ほどで痛みはとれて、10日もすると完全に消えることがほとんどです。しかしこれは痛風が治ったのではなく、症状が消えても、最初の発作を起こしてから1~2年後、痛みを忘れたころに再発します。初期症状(最初の発作)のときに適切な治療を受けずに放置しておくと、発作の間隔が半年に一度、3カ月に一度と、少しずつ短くなります。

痛風の最新治療

治療の基本について

痛風の治療の基本

病気の治療の主役は患者自身です。医師が行う治療や投薬は、それを助けるためのものです。痛風や糖尿病のように、家庭で食事療法を行うときは、自己管理が重要です。

痛風の発作を抑える治療

発作を抑える治療

痛風発作が起こったときは、抗炎症鎮痛薬などの薬が投与されます。また、発作がおさまるまで安静にすることが必要です。痛風の治療を受けていないときは、早急に専門医の診察を受けるようにしましょう。

尿酸値を低下させる治療

痛風・尿酸値の低下

痛風の治療では、発作の症状を抑える処置をするとともに、尿酸値を低下させる薬が使われます。痛風をほうっておくと腎障害や糖尿病などの合併症を招くので、治療をつづけることが必要です。

合併症を予防する治療が必要

痛風の合併症・虚血性心疾患

痛風発作による激痛や炎症を抑え、尿酸値をコントロールする治療まで進むと、次は、痛風や高尿酸血症の合併症を防ぐ治療を行います。痛風はいろいろな病気を合併しやすい病気の一つです。

痛風結節の治療

痛風結節の治療

痛風結節は皮膚科では発疹の一種になります。丘疹といって、皮膚の表面が盛り上がる発疹の大きなものを結節といます。結節はジンマ疹や水痘、膿疱などの仲間で治療は尿酸値のコントロールが必要になります。

痛風の治療を続けるポイント

治療を続けるポイント

痛風は、薬で尿酸値をコントロールすることはできても、痛風になりやすい代謝機能そのものを治すことはできないので、治療をやめると症状が再発します。痛風は、一生つきあっていく病気です。