痛風の合併症・動脈硬化と高血圧症

痛風初期症状

動脈硬化と高血圧症

血圧は、心臓から送り出された血液が血管壁を押し広げる力をいいます。動脈硬化で血管がかたくなると、より強く血液を押し出さなければならないので、血圧が上がります。

動脈硬化

動脈硬化・写真動脈硬化は、動脈の血管壁に血液中のコレステロールが侵入するなどして血管壁がかたくなって柔軟性を失ったり、血管の内側が狭くなって血液が通りにくくなる状態をいいます。動脈硬化を起こして狭くなっている血管に血栓が詰まって、血液が流れなくなることを梗塞といい、脳で起こると脳梗塞、心臓で起こると心筋梗塞といいます。動脈硬化は、だれにでも起こる代表的な血管の老化現象の一つで、すでに10代から太い動脈に動脈硬化が始まっていることがわかってきました。動脈硬化を治すには、まず食生活の改善が必須で、高脂肪、高カロリーの食事を控え、コレステロールや中性脂肪を減らすとともに、動脈硬化を促進させる高血圧や糖尿病の治療を行います。また、適度な運動によってカロリー消費をし、体に蓄積された脂肪を燃焼させます。

高血圧症

高血圧症痛風患者の約50%が高血圧症を合併しており、また、高血圧症の患者の多くに高尿酸血症が認められるので、痛風と高血圧症は非常に合併しやすい関係といえます。高血圧症は、遺伝的な要因のほか、肥満や塩分のとりすぎ、アルコール、ストレス、運動不足などが原因で起こります。高血圧症になると、血管の壁にかかる血液の圧力(血圧)が強くなるために血管壁が傷つき、そこからコレステロールや中性脂肪などが入り込んで動脈硬化を起こしやすくなります。高血圧症になると動脈硬化が進行するので、脳や心臓、腎臓の血管に障害が起こってきます。高血圧症の定義は、WHO(世界保健機関)が定めた基準数値によって最高血圧(収縮期血圧)が140mg以上、最低血圧(拡張期血圧)が90mg以上で、両方もしくはどちらかが高い状態、となっています。しかし、1999年の基準改定により、正常血圧は最高血圧130mg、最低血圧85mg未満となり、最高血圧130~139mg、最低血圧85~89mgは、正常高値血圧と呼ばれるようになり、治療の対象とすることになっています。痛風で高血圧症を合併しているときは、専門医に受診し、食生活などの生活習慣を改めるとともに、降庄薬で血圧をコントロールするなどの治療が行われます。

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

心臓を冠(かんむり) のように包んで心臓の筋肉(心筋)に血液を送っている動脈を、冠動脈といいます。その冠動脈が動脈硬化を起こしたり、血管が異常に収縮して細くなり、心筋に送られる血液の量が不足する状態を「虚血」といいます。そのために起こる病気が虚血性心疾患で、狭心症や心筋梗塞などがあります。狭心症は、冠動脈の血管がけいれんしたり、動脈硬化によって心筋への血流が少なくなるために酸素不足になり、胸部がはげしく痛む病気です。冠動脈の動脈硬化がさらに進んで血管が狭くなることが原因で、そこに血栓が詰まって血液が流れなくなって心筋が死んでしまうのが、心筋梗塞です。

狭心症

狭心症狭心症の症状は、胸が締めつけられるようなはげしい痛みの発作です。発作は、ニトログリセリンなどの亜硝酸薬を舌の下に入れて吸収させると、30秒から3分以内でおさまります。薬を使っても発作がおさまらないときは、細くなった冠動脈の部位に管の先端に風船を装着したカテーテルを挿入し、空気を送って風船をふくらませて血管を広げる経皮的冠動脈形成術(PTCA)や、冠動脈バイパス術という、動脈硬化を起こしている血管に別の血管をつなぐ手術が必要な場合があります。

心筋梗塞

心筋梗塞高コレステロール血症で冠動脈に脂がたまったり、冠動脈の動脈硬化が進むと、血管が詰まり、心筋梗塞を起こす可能性があります。心筋梗塞を起こすと、血液が流れなくなるので心筋が壊死し、狭心症以上のはげしい痛みを伴います。この場合は、早急に救急車を呼んで患者を心臓の専門病院に入院させ、治療する必要があります。心筋梗塞の症状が安定すると、PTCAでふさがった血管を広げたり、ステントといわれる筒状の器具を入れて血流を保持したり、冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)によって詰まった血栓をとかして血管を広げる治療や、冠動脈バイパス術などの手術を行います。痛風は虚血性心疾患を併発しやすく、痛風患者が虚血性心疾患で死亡する率は、痛風を合併していない患者の2倍以上になる、といわれています。

脳血管障害(脳出血、脳梗塞)

痛風や高尿酸血症の患者では動脈硬化が進み、脳血管障害を合併することがあります。脳血管障害を起こして、脳の血管が詰まったり破れたりすると、周囲の神経細胞が損傷して意識障害や運動障害などの深刻な症状を招き、最悪の場合は死亡することもあります。脳の神経細胞は、一度損傷すると再生は難しく、脳の血管障害が治っても後遺症が残ることが多くなります。脳の血管障害のおもなものは脳卒中で、脳出血脳梗塞があります。

脳出血

脳出血高血圧のために脳の細い血管が破れて出血し、たまった血液が脳を圧迫するために意識障害や体の麻痺などが起こる病気です。脳出血を起こすと、多くの場合は頭痛を訴え、大きないびきをかいて意識を失います。そして通常、左右の半身のどちらかが動かなくなります。脳出血の症状は、出血した脳の部位によって異なり、診断は、CTやMRIで脳の断面を撮影して、どこで出血が起こっているのか、どの程度出血しているか、などを検査しながら行います。治療は、症状に応じて、脳のむくみを抑える薬を投与するなどの内科的治療で症状を安定させ、場合によっては出血した血液をとり除く外科手術を行います。後遺症がある場合は、リハビリテーションが行われます。

脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管に動脈硬化ができて詰まり、血液が流れなくなるためにその周囲の神経細胞が死滅する病気です。脳梗塞には、梗塞を起こす原因によってアテローム血栓性脳梗塞ラクナ梗塞心原性脳塞栓症の3つがあります。アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞は、動脈硬化で狭くなった血管内によどんでいる血液中で固まってできた血栓が詰まって起こす脳梗塞です。心原性脳塞栓症は、心臓内でできた血栓が血管の中を流れて脳に入り、突然脳の血管をふさいでしまうことなどで発症する脳梗塞です。おもな症状は、いずれも言語障害や片マヒで、意識障害はあまりみられません。ただし、脳梗塞を起こした部位によっては、症状のあらわれ方や後遺症の程度が異なることがあります。診断は、CTやMRIによって脳のどこで梗塞が起きたかを検査し、治療は、血栓をとかす薬を投与するなどの薬物療法が中心で、外科手術はほとんど行われません。治療法が進歩したために、脳梗塞になっても命を落とす人は減りましたが、大きな脳梗塞では、約90%の人に後遺症が残るので、リハビリが必要になります。

アテローム血栓性脳梗塞

ラクナ梗塞

心原性脳塞栓症

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